【中編】ベストフレンド
あの日から2日。
亜里沙にはまだ会っていない。
同じ会社にいながら会えないのには理由がある。
俺は添乗で不在にする前に済ませておくべき仕事に追われていたし、亜里沙も月末で経理の仕事が忙しい上に、陽歌から引き継いだ添乗の件で、普段以上に仕事を抱えていた為だ。
いや、忙しいのは確かだがそれは言い訳に過ぎないと思う。
忙しい事を理由に亜里沙は明らかに俺を避けていた。
昼休みにランチにでも誘おうと経理課へ足を運んでも、まるで俺が訪ねてくる時間を知っていたようなタイミングで席を外している。
…ったく、どういうつもりなんだよ。