【中編】ベストフレンド
拓巳の触れた唇が熱くて…
拓巳が抱きしめてくれた体が火照って…
拓巳の私を呼ぶ優しい声が耳に痺れるように残って離れない…
『親友』という枠を越えて女の顔を見せてしまったことを途端に後悔した。
一度ついた道は歩きやすくなる。それがどんなに険しい道であっても。
その通りだった。
心が拓巳を求めて暴走を始めていた。
拓巳が欲しい。
拓巳の心が欲しい。
苦しいほどの想いが胸を押し潰してくる。
こんなつもりで抱かれた筈じゃなかったのに
拓巳を癒してあげたかっただけの筈なのに
いつの間にか自分が拓巳をこんなにも求めている。