【中編】ベストフレンド
私はなんて事をしてしまったんだろう。
たとえ友達でもいい。ずっと傍にいたいとそう思っていたのに。
『朝になったら忘れて…』
そう言ったのは私なのに、忘れるどころか今まで以上にあなたを求めている自分がいる。
忘れようとしている自分とは別に拓巳の余韻を何度も引き寄せて抱きしめている自分がいる。
拓巳の心を癒せるならそれで構わなかった筈だった。
失恋の傷を癒す為の行為だと最初から解っていた筈だった。
あなたの心は私に無いと最初から納得している筈だった。
それでもいいと思っていたのに、私は感情を抑えられなくなってしまった。