【中編】ベストフレンド
長期休暇でもなければ無断欠勤でもない。
退職届を出して姿をくらましたと聞いて愕然とした。
俺に何も言わずに亜里沙がいなくなる?
何があってもそれだけは無いと思っていた。
亜里沙はどんな事があっても、黙って俺から離れる事など無いと思っていた。
いや、そう信じていたかっただけだったんだ。
訳の解らない喪失感が俺を包み、仕事も手につかなくて何をする気力も無くなってしまった。
亜里沙がいない
ただそれだけで俺はこんなにも弱くなってしまうのか?
余りの自分の醜態に吐き気すらする。
改めて認めないわけにいかなかった。
俺には亜里沙が必要なんだ。