君に届けたい想い
そんな目で言われたら、否定の言葉なんて言えないよ。


でも…強引だから星也君なんだ。
強引じゃなかったら“立川星也”では無くなってしまう―


星也君だから恋をしたのに。
星也君じゃなかったら、今頃私は傷ついていたかも知れなかったのに。
星也君じゃなきゃ、意味がないんだ...


「いい…よ、そのままで。強引じゃなかったら、星也君じゃない……も…ん」


言葉が詰まってうまく言えなかった。
でも、言いたいことは全部言ったつもり。
ちゃんと意味が伝わってると良いんだけど…。


「……愛実ちゃんはよく分かってるね。」


「えっ?!どういう意味??」


「…俺が、女遊び激しいのは知ってるでしょ??過去に、愛実ちゃんみたいに俺のことが嫌いな奴もたくさんいた。俺は…その時愛実ちゃんみたいに本気だったワケじゃなかったけど聞いたんだ。“強引じゃなくなれば考えてくれる?”って。女はみんな“うん”って答えた。」


「うん……」


私はただ、頷いてるだけだった。
星也君が話を続ける。


「でも、“うん”って言われて思ったんだ。強引じゃなかったら、俺じゃないじゃん…って。俺だから強引なのに。優しかったら、俺じゃない。…でも愛実ちゃんは、俺の良さ…分かってるんだね♪さすが俺の見込んだ女☆」


「そっ……かぁ。」



「俺、愛実ちゃん選んで正解だったなぁ~♪」


「えへへっ☆私だって、そこまで悪い女じゃないよ☆」


自然とテンションが上がってくる。
ついさっきまであんなに低かったのに。


―でも私は考えても見なかったんだ。
まさかこの後、星也君があんな事を聞くなんて―
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