君に届けたい想い
「じゃぁ、出席の続きを。」


そう言って先生はまた生徒の名前を読み上げていく。


「……佐藤~」


「……」


私がしたのは星也君と同じ解答。
無言のままだ。


「おい、佐藤。どうした?いるならちゃんと返事しろ」


「…はぁ~い」


先生、今は返事どころじゃないんだってば。
星也君と由美ちゃんが気になるの。


あの星也君だよ??
屋上で何してるか分からない。
それに…予想だけど。
星也君はまだ由美ちゃんで遊んでないと思うの。
だから星也君、また……!!


不安で仕方がない。
心の中は、不安、不安、不安……。
どこを見ても不安だらけ。


希望の光?
そんなのもうどこかに行っちゃったよ…。
やっぱり…私と星也君は幸せになれないの??



ううん…諦めちゃダメだ。
諦めたら、そこで終わりなんだ...!!


「――先生、頭が痛いんで保健室行っていいですか??」


「おぉ、大丈夫か?いいぞ、行ってこい」


「ありがとうございます―」


そう言って足早に教室を出て行ったのは私。
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