君に届けたい想い
頭なんか痛くないよ?
嘘に決まってるじゃん。
全部、教室を出て屋上に向かうため―


教室から少し離れたら全速力で走り出す。
ひたすら走って、走って―


目の前には屋上のドア。
鍵は開いてる。
そんなの確認しなくたって分かるんだ。


“キィィィィ―”


ちょっと重いドアは予想通り鍵もかかってなく、簡単に開いた。


目の前に広がる景色。
透き通った色の青空。
星也君の姿は見えない。


どこにいるんだろう―?


辺りをキョロキョロすると見える二つの影。
一つはがっちりした影。もう一つは少し小さめの影。
間違いなくあの二人だ。


ちょっとずつ二人の方に近付いてみる。
一歩一歩ゆっくりと...


静かに歩きたかったのに…


“ガチャンッ―”


うっかりしていた私。
ゆっくり閉めなきゃいけないのに、ドアから手を離して音が鳴ってしまった。


二人がその音に気付かないはずもなく…
呆気なく見つかってしまった。


「ど、どうしたの?愛実ちゃん…」


「由美ちゃん…」


どうしたの?って。二人が気になったの。
もしかしたら―って考えて。
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