君に届けたい想い
何も会話がない。
私はただ、星也君から何かを言ってくれるのを待つだけ。


星也君は期待通り、言葉を発した…が、それは別れを告げる言葉。



「……お前、どうせ先生に頼まれたんだろ?俺、いつもこんなんだからな。じゃあ、教室戻るわ。」


―ズキンッ


違うよ。先生に頼まれて来たんじゃない。
私があなたを好きだから来たの。
不安でいっぱいになったから来たの。




どうして一緒に行こうって言ってくれないの?
その言葉は、星也君1人で教室に戻るって言う意味でしょ?
私も一緒に行っちゃダメなの?




何で私のことお前って呼ぶの??
さっきまで“愛実ちゃん”だったじゃん。
それは、私たちが他人と言うことを示しているの―?




でも、星也君に私の心の声が聞こえるわけじゃない。
星也君は気付くはずもなく、屋上を去っていった。


さらに増えていく涙の量。
ボロボロボロボロ―


私はこの時初めて実感したよ。
















―好きの気持ちだけじゃダメなんだね

















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