君に届けたい想い
「…星…也………君」



音のした方で立っているのは星也君。
彼がドアを開けたのだ。


私はすぐ彼に駆け寄る。
でも、その動きを星也君が支配した。


「こっち来んな...!!」



それでも行きたかったけど、今は正直に従う。
そしてそのまま黙って星也君の話を聞く。


「なんだよ、この置き手紙…」


そう言って星也君が私に見せたのは、一枚の手紙。


"部活が終わったら屋上に来て下さい"


その手紙にはこう記されていた


「これ書いたの、お前なんだろ?!」


ちょっと怒った顔で言う星也君。


「うん、そうだよ…」


その言葉と同時に首を下に向ける。
今見えるのは、地面だけ。


「…んだよ、こんな手紙置きやがって!!」


「ごめんね…、でも星也君に伝えたいことがあって...」


「言っただろ?俺はもうお前のことなんか好きじゃないって」


やっぱり星也君は私のことが嫌いなんだ。
まだ終わってなんかないって思ってた私がバカみたい。
―でも、星也君の言葉嘘なんでしょ?


「…嘘つき!!本当は私のことまだ好きなくせに!!」


「なっ!!…そんな分けないだろ!もうお前なんてどうでもいいんだよ!!」
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