君に届けたい想い
第一章 +*友達*+

親友

「ねぇねぇ愛実っ!! あんたには好きな人いないの~??」


好きな人―。


みんなは、この言葉を聞いて何を思う??


ちょっとドキドキしたりするよね。


私??


私はね...


「いないっ―…。 ってか、もぅ二度と作らない!!」


考えただけでもめまいがしそうな、思い出したくない過去。


どうせ言ったって、誰も信じてくれないような過去。


「えっ!? 何々?? それは、昔いたって事??」


好奇心たっぷりで聞いてくる親友の彩夏[あやか]。


「うん――…」


そう、私にだって昔はいた。


好きな人の存在が。


―両思い…だと思ってた。 でも思ってたのは私1人だったみたいで。


ちょっとだけ曇る私の表情。


辛い過去だなんて一言も言ってない…のに


「大丈夫?? 何かあったの、愛実…。言いたくないなら言わなくても良いけど、話すと楽にな
るよ?? アタシに言ってごらん――??」


さすが親友の彩夏。 表情一つでアタシの言いたいことが分かるなんて。


「ちょっと言いにくいけど、聞いてくれる?? 私の辛い過去――。」


彩夏は黙って、頷いてくれた。

< 2 / 128 >

この作品をシェア

pagetop