君に届けたい想い
……


「翼君のバカ!! もういい!! 二度と信じないから!!!」



"バシッ―"



その鈍い音が鳴ったとき、気が付けば私は翼君を平手で、たたいていた。



「…っ……痛ってぇ…な――」


ヤバイ、やり返される?!
いくらなんでも男の人のなんて痛いよ……!!


「行くよ、愛実!!!」



「えっ?! あ…うん……。」



私はくるみと一緒に全速力で逃げた。
本当は走るの苦手…。
だけど自分の身を守るためならどうって事無い。


そして私たちは逃げて、逃げて、逃げて―。
気の遠くなるような思いをした。


でも、自分に被害はない…から。
今はそれだけでよかった。


あっ、くるみに…謝らなきゃ。


「ごめん、くるみ…。私、くるみの事全然信じな……」

「それなら気にしないで。」


「えっ??」


「だからぁ...気にしなくていいよ。」


「でもそれじゃ……。」


「いいの!!愛実の言いたい事分かるもん…。」
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