君に届けたい想い

彩夏の方を見る。


彩夏は私と悠人君を見て
ただ呆然とするだけ。


「悠……人………」


―彩夏…泣いてる??


彩夏の目には涙。
こらえようと頑張ってるみたいだけど
一滴、二滴…どんどん流れ出ている。


―彩夏と私の目が合う。


彩夏は私が見ている事に気付いたのか
目を隠しながら教室を出て行った。


それと同時に、私が泣いている事に気付いた悠人君。


「あっ……ゴメン、愛実ちゃん―。」


「ううん、気にしないで……」


彩夏の涙が忘れられない。


彩夏、もしかして悠人君の事―。


「それで…その…愛実ちゃん??」


「えっ?!な…何??」


「俺、愛実ちゃんの事、本気だから―」


「…うん………」


今は答える事しかできなかった。