君に届けたい想い
『おい!!授業始めるぞ~。席に着け!!』
先生に従ってみんなが席に着く。
今の私はそんな声耳に入らない。
ただ、みんなを見て真似しただけ。
私の頭の中ではさっきの出来事がグルグル渦を巻いていた。
一限目は体育。
みんなは体育気に着替える。
でも私はボーっとしているだけ。
「愛実、早く着替えなよ~!!」
声の先には彩夏……ではなく、その友達、紗恵[さえ]がいた。
私とは、そこそこの関係。
「うん……」
言われたとおり、着替える。
ただそれだけ。
今の私は…命令されて動く、ただのロボットだった。
『えっと見学は~…おっ!佐藤か。』
私は見学をした。
本当は保健室に行きたかったけど...なんだか行きたくない気持ちにもなって。
あの後、彩夏は先生と同時に教室に入ってきた。
でも違うんだ。