君に届けたい想い



『おい!!授業始めるぞ~。席に着け!!』


先生に従ってみんなが席に着く。


今の私はそんな声耳に入らない。
ただ、みんなを見て真似しただけ。


私の頭の中ではさっきの出来事がグルグル渦を巻いていた。




一限目は体育。
みんなは体育気に着替える。
でも私はボーっとしているだけ。


「愛実、早く着替えなよ~!!」


声の先には彩夏……ではなく、その友達、紗恵[さえ]がいた。
私とは、そこそこの関係。


「うん……」


言われたとおり、着替える。
ただそれだけ。


今の私は…命令されて動く、ただのロボットだった。




『えっと見学は~…おっ!佐藤か。』


私は見学をした。
本当は保健室に行きたかったけど...なんだか行きたくない気持ちにもなって。


あの後、彩夏は先生と同時に教室に入ってきた。


でも違うんだ。
< 46 / 128 >

この作品をシェア

pagetop