君に届けたい想い
ギロッと悠人君を睨んで問いかける。
こんな顔、くるみにも彩夏にも見せた事無い。


「そ…そうそう、理由。実はこんな事があってさ……」



――――――――
――……
それは俺が彩夏の告白をOKした直後の事。
俺は彩夏と手をつないで帰っていた。


「ねぇねぇ悠人……」


「ん、何だよ??」


彩夏が顔をこっちに向けて話してくる。
その顔が何とも言えないほど可愛くて。


「悠人はさぁ~本当にアタシの事好き??」


ちょ…おいおい!!彩夏は俺を信じてねぇのかよ!!


「バッカじゃねーの??彩夏が好きだから告白OKしたんじゃん。」


「でも…愛実に告白したじゃん。」


斜め下を向きながら頬をプゥッと膨らませる彩夏。
拗ねているのがよく分かる。


まぁ…ごもっともなんだけどな……。。


「ん~それは、成り行きで…かな??愛実ちゃんの事好きなのは嘘じゃないし、早く恋に決着付けたかったから…。ふられて…すぐに立ち直ったし、彩夏の目が本気だったから可愛くって。」


これは本当の事。
愛実ちゃんの事が好きなのは嘘じゃない。
でも、ふられても何故かすぐ立ち直れた。
…そんな時彩夏が告って来て。
目が本気だからOKした。


「そうなの??じゃぁ、アタシの目が本気じゃなかったら、ふってたって事??」


「ん~まぁ、それは違うな。……よく分かんないけど、心の奥で彩夏の事好きだったのかも。」


「何それ~??まぁ…好きならそれで良いけどね。」
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