君に届けたい想い
「飯田、井上、大山、神田~……」


次々と呼ばれていく生徒の名前。
みんなはただ、返事をするだけ。


「立川[たちかわ]~……」


「………」


返事がない。
きっと休んでいるのだろう。
まだ朝だから、居眠り…なんて事もないし。


「……立川はまたさぼりか~。きっと屋上にいるんだろうな……」


………さぼりッ??!
立川君って言う人…さぼりなんだ…。
しかも屋上って!!
居場所ばれちゃってるし……((汗


「しょうがねぇ~な…おい、佐藤!!屋上に行って立川がいるかどうか見てこい!!いたら、連れて返って来いよ~!!!」


佐藤って……私??!


「えっ?!私ですか……??」


「そうだ。佐藤はお前しかいないだろ!!さぁ、見てこい!!」


確かに…佐藤は私しかいないけど!!
そんな不良生徒(?)の所なんて行きたくないよ~!!


でも…断ったらあの先生の事だ。
きっと無理矢理でも行かされるだろう。
私に断る権利などないのだ。


「はぁ~い…行ってきます……」


仕方なく行く事にした私。
どうせ行く運命になるのなら…手っ取り早く終わらせよう。


教室を出るとき、チラッと彩夏の方を見る。
彩夏は私にサインを出して、何かを訴えているようだ。
しかも必死に。


でも…私にそのサインの意味は分からない。
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