君に届けたい想い
私の目の前には男の子が立っていた。


「おい、お前…大丈夫かよ。」


クスッって笑いながらこっちを見る男の子。
手を出して、私を助けてくれているようだ。


「あ…ありがとう……」


私は正直に、男の子の手を借りる。
そして立ち上がる事が出来た私。


でも…立ち上がった瞬間、私は男の子の手を振り払った。
そう、男恐怖症が出たのだ。


男の子は私が手を振り払った事に驚いてるみたい。
目を、まんまるにしてこっちをみている。


「……………お前、名前は??」


私に名前を聞く男の子。
私だって…名前を教えないほど男の子が嫌いなわけじゃない。


「佐藤…愛実です。あなたは…??」


「あぁ…俺??…お前、俺の事知らないの??こんなに有名なのに。」


ちょっと不機嫌そうに答える彼。
その、不満な顔が小動物みたいで可愛い。

有名…??この学校で有名な人って……


「ま、まさか立川星也ぁぁ~~!!?」


「あっ、なんだ。知ってたのか♪俺は立川星也。」


立川星也って…私が探してた人…。
そして、例の女遊びの人!!


嫌…怖い……。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!!!!!!!!」
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