君に届けたい想い
私の悲鳴が、屋上に響き渡る。


―とその声と同時に
“パシッ――”
と言う音も響いていた。


…私が立川星也を叩いたのだ。


「ってぇ……お前、何すんだよ……」


怒っている彼。その顔は…すっごく怖い。


「な、何って…叩いただけです。」


ちょっとマヌケな私の答え…。
でも、正直な答えだ。


「……お前、おもしれぇな」


「はっ?!面白い……??」


男の子にそんな事言われた事無い。
私はいつでも真面目だった。
今だって、真面目に答えたはずなのに……。


「……そんな事より、お前何しに来たんだよ??」


何しに来たって……あぁ!!忘れてた!!立川星也を探しに来てたんだっけ……。


「えっと私は立川星也を探しに……って、あなたじゃないですか!!」


「んぁ??確かに俺は立川星也だけど、探しに来たって…あぁ、そうか。三上に頼まれて来たんだろ??」


三上って…この人は先生を呼び捨てですか……。
そうとうの不良だ……。


「そうです。さぁ、早く教室に帰りましょう!!」


…このままずっといたら私までもがサボってしまった事になる。
そんなのお断りだ。
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