君に届けたい想い
「あぁ??帰るわけねぇじゃん。」


「はぁ??!何言ってるんですか!!立川君連れてこないと私が怒られるんですから…。」


「それじゃサボってる意味ねぇじゃねーかよ。…ってか、その立川君って呼び方やめろ。星也でいいからさ♪」


「………」


言い返す言葉が無くなった私。
確かにここで帰っていったら、サボっている意味がない。
サボっているから屋上にいるのに…って!!
あぁ~私は何考えてるんだ…。
これじゃ私もさぼりじゃん……


「ふぅ~ん...言い返す言葉が無くなったんだ??」


ニヤニヤして言ってくる彼。

う゛っ……図星。
でもそんなのばれたら、アイツの思うつぼだ。


「そ…そんな事ありません!!とにかく…私は教室に戻りますから。」


そう言って私は屋上を去っていった。
これ以上いると…何でもあの人に見透かされそうで。


私は急いで教室へと戻っていく。
さっき来た道を今度は帰ってくる。
未だに静かな廊下は私の足音を響かせるだけ。


“ガラッ――”


「おっ!!佐藤か。どうだ、立川はいたか??」


「いませんでした―」


そう答えながら自分の席へと戻る私。
今は彩夏の方を見る余裕なんて無い。


私が帰ってきた事でちょっとざわめいていた教室も、暫くすると静かになり、授業が始まった。





「――…であるから○は9になり……」
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