君に届けたい想い
「だって私には辛い過去が―って、あっ!!」


口を閉じたときにはもう遅かった。
こんな奴に過去の話いっちゃうなんて…。


「ふぅ~ん…過去??何があったの??」


それは私を救う…なんてそんな優しい笑みじゃない。
悪魔の笑み……。


「そんなの教えないよ!!」


必死に言い返す。
でもそれは無駄な抵抗。


「……あっそ。いいんだぁ...こんな状況で処女失っちゃって。」


そう言って私のシャツの一番上のボタンをはずした。
……この人、本気だ……。


「いやぁ!!言うから、言うから!!それだけはやめて!!」


ダメだ…やっぱ私は一生Mのまんまなんだ……
ちょっとだけ実感してしまった。










「―――…って言う事がありまして。」


結局私は全部こいつに言ってしまった。
言いたく…無かったのに。


「そっか…そんな過去があったんだ…。でも!!俺には関係ないよ??すぐに惚れさせてみせる!!」


はい??
今なんておっしゃいました……??
こんな過去が関係ないなんて…この人、ひどすぎる!!!


「じゃぁ、もし愛実ちゃんが俺に惚れたら、その時は処女ちょうだいね♪」


「どうぞ勝手にして下さい。処女だの何だのお好きにどうぞ。」


って…えぇぇぇ??!
成り行きで言ってしまった……。


にやっと笑う立川君…。
もう、ダメだ……
< 82 / 128 >

この作品をシェア

pagetop