君に届けたい想い
教室に入る。


―のと同時に、私は自分の机に目をやる。
そこには誰もいない…ハズなのに。


机に腰掛けているのは…強敵、立川星也!!!


暫く入り口に立ち止まり、呆然としていると彼と目が合う。
すぐに目をそらす…が遅い。


「あっ愛実ちゃ~ん♪♪学校来るの遅いよ!!」


クラスが静まりかえる。
冷たい視線と共に。
なんで―?昨日はあの後普通にしてたじゃん。
なのに…なんで今になってそんなに目立つようなコトするの??


クラスはまだ静かなままだ。
みんなは私の方を見ている。


「なっ…何ぃ~愛実ぃ??立川君と何かあったの??」


「えっ?!別にそんなこ……」

「はいは~い!!みなさん、聞いて下さい!!実は俺たち、付き合う事になりました~♪」


そう言って立川君は私の肩を自分に寄せる。


「えっ、ちょ…立川君……!!」


立川君に話しかけようと思ったのに…
女子の声でもみ消される。


「うそぉ~!!やめてぇ~立川君!!」

「な、なんで~??アタシだけだよって…言ったじゃん...」

「私は立川君が選んだ人ならそれで……うっ…ヒック……」


怒りに満ちあふれてる人から、悲しみに浸っている人まで。
女子の感情は様々。

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