君に届けたい想い
―の一方で、陽気な男子と立川君。


「なんだ~、お前ら美男美女でお似合いカップルじゃん!!」

「ヒューヒュー♪熱いねぇ((笑」

「結婚式には呼んでくれよなぁ~☆」

「おぅ!!任せとけぇ!!結婚式は海外で……♪」


ダメだ…
どうして男子ってもんはこんなに陽気なんだろう...
しかも結婚式って……。まだ、ずっと先…の前に、結婚しないし、付き合ってないし!!
それを了解してる立川君もどうかと………。


ちらりと彩夏の方を見る。
隣には悠人君。


二人は…何かを話し合ってるようだ。
まさか二人まで結婚式の事を……!?


クラス全体に呆れた。
なんでこんなにうるさいんだろう……。



何故か教室にいたくなくなった。

気が付けば足が走り出してる。
どこに向かっているかは分からない。


後ろからは立川君が追いかけてくる。
そのスピードから逃げ切れる事はなくて。


パシッと腕を掴まれた。


「どうしたの、愛実ちゃん??」


「いえ、何も…。ただ走っただけです…じゃなくて、走っただけ。」


敬語が使えないという事を思い出してすぐさま言い換える。
そのことは…気にしてなかったみたい。


「何もないわけ無いじゃん。ん~...あっ!!分かった☆俺の彼女だって言われてびっくりしたんでしょ??それで…クラス全体に呆れて逃げ出した♪」


全部…見透かされてる。
何一つ間違っていない。
いわゆる…図星。


「うん、そう……。ただ、それだけ。」


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