君に届けたい想い
正直に答える。
これ以上嘘付くと…余計な事まで見透かされそう。



ちょっと顔が暗くなった私。
立川君はそれに気付いたみたい。


「ちょっと…屋上行こうか??」


「……うん。」


私は逆らう事もなく、ただ素直に従った。


立川君に手を引かれ屋上へと連れて行かれる私。
授業はもう始まっている。
でもそんな事は気にならない。
理由は…分からないけど。




外へと繋がるドアの前に立つ。
でも…やっぱり無いんだ。
何が?って...鍵。
鍵がないと外へは出られないから。


私は諦めた。
鍵がなかったら外には行けない。
鍵が開いてるなんてそんな事……。


でもそんな考えに逆らう音。


“カチャッ―”


えっ?!
と思い、顔を上げる。
目の前に広がるのは…外の景色。


「えっ、立川君…どうやって開けたの……??」


「シーッ!!内緒♪」


そう言って無邪気な笑顔を見せる立川君。
その笑顔…すっごく可愛い。



私たちは外に行き、地面に寝っ転がる。


視線の先に広がる青空はすっごく大きくて。
雲一つ無い…空。
悩みなんか一つも抱えてない…青空。
< 87 / 128 >

この作品をシェア

pagetop