君に届けたい想い
「ま……愛実ちゃんの男恐怖症が治ってる……!!!」


ニコニコしながら言う星也君。


確かに…今は平気だ。ついさっきまではあんなにも嫌だったのに...
これってまさか…私が星也君を信じてるって事??!
でも……冷静に受け流さなきゃ。


「ん~治ってはないよ。ただ、星也君が安心出来る存在だって言うこと。」


冷静に…受け流すはずだったのに。
心の中で思ったこと、そのまま口に出している。


「それ、本当…??やったぁ!!愛実ちゃんが俺の彼女になるのに一歩近付いた♪」


えっ?!彼女―???
“星也君”って呼んだらちょっとは考えるって……。


でも、星也君はそんなこと覚えてないみたい。
自分で言ったくせに。


でも…
まぁ、いっか...


どうせ結果は見えてるわけだし。


“キーンコーンカーンコーン...”


そんな静かな中で鳴り響くチャイムの音。


授業…忘れてた!!
今から出たらすっごく怒られるだろうな…


そんなことを考えていても、時間は待ってくれない。
遅刻した分の説教は、時間が経つに連れ増えていく。

心配をしながらただ、うずくまって考えるだけの私。


「愛実ちゃん!!このまま、授業サボろうよ♪」


「―えっ??!」


私はすっごく悩んでいるのに…この人はなんて事を言うのだろう。
あっさり、授業サボろうなんて……
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