詩集
箱庭

 僕の箱庭の
 欲望の茎から咲く
 不細工なジキタリス

 ドロドロと溶けてく
 真夏のアイスキャンディみたいに
 口に含めない
 ものだってあるさ

 「子供じゃないんだから」
 僕は砂場に欲望を埋める
 だけど育つ煩悩
 僕は子煩悩
 理性を乱射

 みんな砂になって
 みんな嘘に見えてくる

 月明りの下
 影は隣りにあるのに
 僕の右手は左手を掴めない

 不安定な茎
 芽からでた錆

 嘘になるならまだいいんだ

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