詩集
不完全なままの球体
点と線で繋げて出来た
いつか見た
未完成のパズルの緑は
穴が空いた雲に
覆われたまま
僕は回らない観覧車の中
君は小さくなって
迷子になった
そこには夢も時もない
心に灰が積もるだけ
血はいずれ雨で流される
だけど涙は降り続ける
汚れた踵で割った
鏡の破片が
優しかったあの頃の表情を
粉々にして
耳鳴りする程の
不協和音で
観覧車は墜落する
不完全なままの球体を
胸に抱えたまま