詩集
chocolate

 いつかの涙の苦いソーダは
 いつの日か泡になって
 瀕死の魚を
 水面に浮かび上がらせる

 その瞳の輝きは濁っている
 純粋な僕のモラルとチョコレートを
 かき混ぜ過ぎて


 そして僕も
 人並みに大人になった

 「だけどチョコレートは嫌いだよ」

 それは子供心についた嘘で
 時々それを食べ尽くす
 そして時々、
 自己嫌悪で喉が渇いて
 塩ぽい涙を求める

 まるで砂漠を彷徨う
 干涸びたハイエナ

 君が綺麗な色にしか映らない

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