詩集
candy candy lick

 当たり前の様にある
 月と太陽がすれ違って
 雨はキャンディ二つ分の
 幸せを逃がした

 愛しい筈の甘い記憶は
 今では数え切れる程
 いつか映画で観た様な
 綺麗な風景じゃない

 目の前のスクリーンは
 欲望と衝動の針で割れた
 花柄の紙屑

 その黒いキャンディに
 「愛撫して」とは
 言えないだろう
 感情を殺すのは
 罪だと思うから

 僕を放っておいてとは
 言わないけど
 そろそろ君が
 溶けて
 無くなってしまいそうな
 気がする

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