不良×さわやか~どっちがどっち!?~
すっかり涙もおさまり普通に呼吸が出来るようになった。
 前は宗太がこの沈黙を消してくれたから今度はあたしが と思っていると
「なんで泣いてたの?」
 率直。触れてほしくなかった。でも宗太の顔が真剣だったから
打ち明けても大丈夫だと思った。

「あたしねさっきまで涼太と話してたの。ド貧乏庶民とか言われちゃって・・。でも涼太あたしにその言葉をいうまで”世の中金”って言ってて・・そんな事ないって言ったらお前に何が分かるんだよって言われちゃって・・あたしそういえば涼太の事全然分かってなかったなって・・そしたらなんか泣けてきちゃって・・あははは~・・・」
 自分の愛想笑いにも限界がきている。思い出すとまた涙が・・・

「美来ってさー僕と話してるとき涼太の話しかしないよね?それってどういう事だかわかってる?」
 この人何言ってるんだろう?
「え?そんな事ないよ~それってどういう事ってあたしが逆に聞きっ」
  
「僕、美来ちゃんの事好きだよ★だから涼太には取られたくない」
  なんですとーーー!?こんな真剣な話の時に宗太スマイルでそんな爆弾発言されても~・・・
そんなあたふたしてる顔みて
 「あたふたしてる美来もかわいいな~涼太の事嫌いなんでしょ?僕と真剣に付き合ってください」
 スマイルから急に真剣な顔になって。
宗太は顔の表情がコロコロ変わるから多分女の子はそこに惹かれるのだと思う。
 でもまだ気持ちの整理が・・・。

ギッー・・・。
 ドアが開いた。
「兄貴ー話があんだけどー ・・・美来?」
 今のあたしかなり宗太を近いよね?
あとちょっと近づけば唇が触れそうな感じ・・・。
 
 「兄貴と美来ってそういう関係だったんだな。わりぃなラブラブの所入ってきてしまってー」
 バンっ

ドアを閉める音がやけに大きかった。
 もしかしてヤキモチ!?
・・・それより絶対誤解されてるじゃん!

急いで宗太の部屋を出ようとすると

「行かないで」

その言葉が部屋じゅうに響いた。
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