狼少年
「サオね、桂君のこと狙ってるんだあ」
「…………。」
目が点になった。
あんな男のどこがいいんだろう?っていうか、男なんかのどこを見て狙………??
そもそも、それをなんで私なんかに打ち明けたんだろう。小織ちゃんとはそんなに話したこともないのに。
「あやこ?」
「、あ 麻由。」
肩に手を置かれたと同じくらいに、小織ちゃんが「じゃあね」って言って私から離れた。
「宮本…?なんか言われたの?」
怪訝な表情の麻由に、私もただ首を傾げるしかできない。
「……なんかよくわかんなかった。」
「ハァ?意味わかんないしっ。」
「だよね。」
笑い出す麻由に合わせるように、私も苦笑した。
「ほら、ゴミ持って行くよ!」
「うん。」
左手にぶら下げたゴミ袋を揺らしながら、はっしーがいる焼却炉へ向かった。