狼少年
「あーぁ、サイアク。」
がりがりとノートに線を引いて、あみだくじを作成する。
「災難だったね。」
カラカラと笑う麻由は、手伝う気もないらしい。サンドウィッチを頬張りながら、私の机の端っこにもたれかかってる。
時間は昼休み。丁度だいたいの仲良しグループが結成されたくらいで、椅子やら机やらを近づけて輪になってクラスメートが弁当をつついているのがわかる。
弁当をさっさと食べ終えた私は、こうしてはっしーの雑用任務をこなしているわけで。
「これで遠足の班決まるんだね…。」
麻由がノートを覗きながらしみじみと口を開く。
「偽装するか。」
「はっしーに殺されるって。」
40人分の線を引き終えて、下に番号を振っていく。