クローバー

初日から
こんなことしていて
落ち着くはずもなく
ひとまず廊下を
ウロウロ
さまよっていた


声の聞こえる教室を
のぞいてみるが
クラスメイトの顔も
分からない…


¨ はぁ~… ¨


またため息が出た…


トボトボ歩いていると
教室の扉が開いている
のに気付いた

声はしないが
チラッとのぞいてみた


そこには
窓側の外の見える
一番端で
分厚い本を
読んでいる
1人の男性がいた


¨ はぁッ… ¨


私は
気付かれないうちに
その場から
立ち去りたかったのに
動けなくなった


男性は
気づいたようで
こっちを
振り向こうとした


胸がドキドキして
おさまらない


振り向いた瞬間
私の体は
熱くなり
胸の鼓動も
耳に届かず
周りの声も音も消え
異空間にいるようだった…

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