クローバー
病
次の日も
大学へは行かず
自転車を
1時間走らせ
病院へと向かった
彼の病室へ
近づくと
彼の笑い声が
聞こえてきた
と共に
女の人の声も
聞こえた
『おはよう…』
彼の様子と
知らない声に
不安な気持ちで
入っていった
そこには
いつもの笑顔の
彼がいた
風邪をこじらせただけ
らしい
ホッとして
涙が出た…
『あらあら…』
と、私に
白いハンカチを
差し出してくれた…
彼は笑いながら
言った
『母さんだよ!』
私は
手で涙をふき
深々と礼をし
あいさつをした
顔をあげてみると
そこには
優しい笑顔の
女性がいた
彼から
家族の話を聞いたのは
この時が
初めてだった