クローバー
『昨晩
急変して…』
落ち着いてから
ヘリで
地元のかかりつけの
病院へ
移ったと
言われた…
目の前が
真っ白になった
『急に決まったのよ…』
看護師の声も
遠くに聞こえた
私はどうしていいのか
分からず…
気づくと
ずっと来ていなかった
あの丘の前まで
来ていた
自転車も忘れ
無意識で歩いて
いたんだろう
雪解け水で
びっしょり濡れた靴が
足を刺して
歩くのも
限界だった
それでも
丘の上まで登った
まだ解けぬ雪と
解けて流れゆく
水が
雪解け水と
とけこむ海が
まぶしく光る
太陽に
キラキラと
照らされ
輝いて
一面銀世界だった
あの頃のように…
その場に
倒れ込むように
うずくまり
泣きじゃくった