クローバー
高校2年の夏
ずっと昔からある
素敵な雰囲気の
喫茶店で
バイトを始めた
そこには
昔からの常連の
お客さんや
若いカップル
子供連れのママ
色んなお客さんがいた
あるすごい雨の日
びしょ濡れで
駆け込んできた
一人の男の人がいた
私は奥から
乾いたタオルを
取り出し
彼に
渡した
彼は
『ありがとう』と
濡れた頭を拭く
私は
一番端の
外の見えるテーブルへ
案内した
彼は
温かいコーヒーを
頼んだ
かばんから
分厚い本を取り出し
読み始める
何時間いただろう…
彼は
私のバイトが
終わる時間になっても
その分厚い本を
読み続けた
私は
気付くと
その日1日
ジッと
彼を見つめていた…