クローバー
『その時
声がしたんだ…
優しい声で
呼んでいたよ
母さんがね…
その声が
聞こえた時
何だか
ホッとした…
母さんは
隣に来て
話し始めた
¨中学の頃から
よくここに
来てたでしょ
母さんも
若い頃
よく来てた
父さんが
死んだときも…
あなたは
まだ
お腹に
いたんだけどね
これから
1人でどうしようか…
そう思ってた時
この水平線に
元気と
勇気を
もらった
こな子は
父さんと私の
大切な宝物
しっかりしないって
言われたようだった…
そんな時
まだ予定より
1週間早かったけど
陣痛が始まったの
そのまま
この病院で
あなたを
生んだ
きっと
父さんも
見守ってくれていたよ
だから
あなたの名前は
父さんと同じなのよ
父さんに変わって
私の支えになったのは
あなた…
あなたがいたから
頑張れた
こんな話し
今まですること
なかったわね¨
そう言って
母さんは
戻って行った…
何を考えてたんだって
思った…
母さんの為に
自分がいなくなれば
これから
苦労かけなくてすむ…
そう思っていた
自分の考えが
間違っていた…
母さんの為に
精一杯
生きないとって…
また
神様に言ったよ
ありがとうって…』