クローバー
『あの丘の上へ
登っていたのを
知ってるよ…
あの丘の上から見る
風景は
病院の屋上から見る
風景に
似ていた…
僕も登っていたんだよ
知らなかったでしょ
ある日
1人の女の子が
自転車を
目一杯こいで
あの坂を
登っているのを
見たんだ
登れるような
道があるとは
知らなかった
何があるのか
登ってみることにした
そこには
勇気と
元気を
くれる風景が
あった…
奥には
さっき登って行った
女の子が
涙を流していた…
その場を立ち去った…
それから
何かあると
あの丘の上へ
登るようになった…
不思議な事に
自分が登る時は
必ず
あの女の子がいた…
笑顔だったり
泣いていたり
いつか また
丘の上へ登ったんだ
その子はいなかった…
すると
急に
大雨が降ってきた
急いで
大学へ走った
その途中
喫茶店にがあるのに
気付いた
雨宿りに
駆け込んだ…
そこには
あの女の子がいたんだ…
そう…
君がね…
胸が張り裂けそうな
想いがした
分厚い本を
開いたって
読めなかった…
頭に入らなかった…
君は言ったね
¨ずっと見てた¨
って…
僕が先に
君の事を
見ていたんだ…
不思議だよね』
彼は
恥ずかしそうに
笑った…
驚いたけど
嬉しかった…