冬の月
早苗ちゃんは人形のような大きな目いっぱいに涙ためて、それでも俺に負けまいと必死で俺を睨んでたよな。
ーー正直…あの早苗ちゃんの目に少しビビってた。
「アンタ…何そんなにスネてるのよ何かと言えば…すぐあいつが悪いとか…先公が悪いとか…学校が悪いとか…そんな甘えたことばっかり言ってんのよ」
「自分の生まれがどうだろうが…生まれてきた命に優劣なんてないし、なくてもいい命なんてないんだからね」
「アンタなんかに俺の何が解んだよ…解った風な御託並べんなそんなん…耳にタコができる位聞かされたよ」