イケメン★ハーレム
「愛?」


声をかけられてビックリした。


目の前には、淳の姿。



「もう仕事終わったから呼びに来たんだけど…。 …どうしたの?」



淳が目の前にいて、安心したのと同時に、不安もあった。


泣きそうになってる顔を見られたかもしれない。


急いで下を向く。


「なんでもないよ。 ちょっと転んだだけ」


「普通、尻から転ぶ? 翔が見たら怒るよきっと」


アイツ、尻フェチだからなあ。と淳が言う。


「じゃあ、行こう」


と言って私の手を取る淳。
私はそれをふりほどいた。


「…愛?」


「ごめん、私…行けない」


キョトン、とした顔をする淳。


「どうして…」


「私…。 淳の事が、好き」


そう言うと、淳の顔がみるみる赤くなっていく。


「でも、私じゃ…淳につり合わないよ」


「え? 何いってんの?」


「だから…諦める。」


「え?え? どうゆう事?」


淳がそう言うのを聞かずに、私はその場を逃げ出した。


私は鞄も持たずに、ずっと走っていた。


『私じゃ淳につり合わないよ』


それは、事実。


認めたくなかったけど。


アイドルなんて言われてる淳の事、好きになっちゃうなんて…私、おかしいよ。


一番怖いのは…淳に、嫌われる事。
< 113 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop