イケメン★ハーレム
「でも、なんで私?」


沢尻くんは、ミートボールを口に入れてよく噛んだあと、飲みこんでから口を開いた。


「去年、たまたま高等部の文化祭に遊びに来たんですよ。 その時、ミスコンで愛先輩を始めてみた時から、この人と仲良くなりたいなって思ったんです。 まあ、言ってしまえば、直感みたいなもの?」


あはは、と笑って次々とおかずを口に放りこんでいく。
そんな事を言われたら普通に照れるんですけど…。


「あ、もしかして淳先輩と付き合ってたりするんですか?」


私はその名前を聞いた途端、無意識に眉間にシワが寄ってるのを感じた。


なんであんな変態と私が付き合うのよ!


「違うわよ。 香川くんとは…その…ただのクラスメイト?」


「なんで疑問形なんですか?」


…なんでだろ。友達でもないでしょ?


だって。だからといって、ただクラスメイトとはまた違う気がした。



「愛先輩は、彼氏いないんですか?」


「いないいない!」


「そうなんですか? 別れたばっかりとか?」



「いやー…それがその……いたこと、ないんだよね」


沢尻くんは驚いた顔をして、お箸を落とした。


「そんなに驚く事?」


「いや、だって愛先輩なら結構モテるでしょ? だからビックリしちゃって…」


「いや、モテないよ。 沢尻くんこそ、モテるんでしょ?」


「いや、俺はー…」


沢尻くんがそこまで言うと、後ろに気配がして、振り返った。


そこには、変態の姿が。
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