イケメン★ハーレム
今日の授業が終わって、廊下に出ると、変態二号が待っていた。


「愛先輩、お疲れさまです!」


「お、お疲れ…」


本当に一緒に帰るのか…。
私は多少憂鬱になりながらも、沢尻くんと肩を並べた。


「行きと帰りなら、恋がいるからいいのに…」


「そうゆう訳にもいきませんよ!」


沢尻くんは拳に力をこめて言った。
私はいきなりの大声に肩をビクつかせたあと、理由を聞く。


「いえば、種を撒いたのは僕たちですからね。 恋先輩に迷惑をかけるわけにいかないんです。 …それに」


「それに?」


「愛先輩と帰る口実が出来たし」


天使のような笑顔で言う。
私は少し頬を染めたあと、ハッと我に返った。


「そ、そんな事言っても騙されないわよ! どうせセクハラする気でしょ!」


「バレました?」


逆にあぶないんじゃないかな。


なんて考える。


でもなんだかんだ言いつつ、何もしてこなかった。


家に着くと、笑顔で手を振って帰っていった。
私は恥ずかしいので、聞こえないように沢尻くんの背中に向かって言った。


「ありがとう、送ってくれて」


そう言ったあと、玄関のドアを閉めた。
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