キレイな星が見えるトキ。
おかしい。
椿がおかしい。
いつもならフクチャンフクチャン言って近づいて来るのに、
あからさまに俺のこと避けてた。
……なんかした?
「崇くん?」
「あ、悪い。」
いいよ、って笑う夏楠。
いつからだっけ、夏楠が無理して笑うようになったのは、
「そういえば、あたしに渡したい物ってなに?」
「あー、あれなんだ。」
部屋の片隅に置いてあるギターを指差す。
「……あれって、」
「そう、純のやつ。藤田先生から預かったんだ。夏楠にって、」
そこには笑顔はなかった。
今にも泣き出しそうな歪んだ顔。
それだけ夏楠にとって大丈夫な存在だったんだろう。