蝶々〜貴方に届くまで〜
『何してんの?』

いきなり後ろから
現れた奴は男みたいだ。

黒い髪の毛に
メッシュが入っていて
耳にはシルバーピアス
胸元にもシルバーの
ネックレスがあった。
腰までズボンを
おろしていて
ここでは当たり前の外見。


『何もしてないです。』

私は相手から視線を
反らし煙草を吸う。

『へぇ。何年生?』

『貴方には関係ないです。』


私は馴れ馴れしく
聞いてくるそいつと
話をするのが
嫌だから立ち上がり
屋上を去った。

そしてあの男が
追いかけてくることも
なかった。
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