ファインダーの向こう側
聖域 あざみととーや 【完】
「あざみ!」

まだ少しだけ肌寒い10月の、気温が好き。

誰もいない川辺で大の字に寝転がるのが、すごく好き。

冷たい風が頬をなぶっていく感触も好き。


そしてあたしの横には、傷だらけのポラロイドカメラが転がっている。

あたしの大好きな放課後なのに。

うとうととしていた眠気を吹き飛ばすように、とーやの声が降ってきた。
< 1 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop