ファインダーの向こう側
「あざみ!俺も横、寝転がっていい?」


あたしの返事も聞かずに、とーやは嬉しそうにあたしの横の草の上にダイブした。


「とーや、もうちょっとゆっくり転がったら?」


「そうだね、ごめん!バッタもびっくりしちゃうよねっ」


別に、バッタの心配をしたわけじゃなかったんだけど。とーやがあんまりにも無邪気に笑うから、あたしも小さく笑ってしまった。


「あざみっ、修学旅行、何で行かないの?」


「……そんなコト、聞きに来たの?」


丸い目をさらに大きくして、聞いてくるとーやは子どもみたい。

あたしは、そんなとーやが嫌いじゃないけど、時々すごく、キュンって胸が苦しくなる。

とーやの無邪気さは、キレイな心は、あたしにはまぶしすぎるから、あたしは勝手に、それにあてられて傷ついてしまう。
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