ファインダーの向こう側
「だって、興味ないもん。あたし、他人とずっとおんなじ部屋で2泊3日も過ごすなんて、耐えられないよ」


「なんで!?一緒に北海道行こうよ!俺、あざみと一緒に動物園行けるの楽しみにしてたのに」


とーやが言う動物園ってのは、あの有名な、大きすぎる動物園のこと。とーやは動物がすき。動物も、とーやが好き。よく野良猫に擦り寄られてきているとーやを目撃する。


「……ごめんね、とーや。あたし、旅行、嫌いなんだ」


とーやの不満そうな顔がチラッと見えた。あたしはとーやのお願いにすごく弱い。ほだされないように、あたしは寝転がったまま、流れる雲を見ることに専念することにした。


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