ファインダーの向こう側
「――お土産、何がいい?」


あたしの返事を了承して、話題を変えてくれたとーやが嬉しかった。

とーやは優しい。
子どもみたいに振る舞ってても、ほんとは誰よりおとなだ。


そのままとーやの方へ転がると、置きっぱなしだったポラロイドを下敷きにしそうになって。あたしは慌てて跳ね起きた。


「あざみ、大丈夫?」


「うん――良かった。壊しちゃうかと思った」

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