ファインダーの向こう側
あたしはポラロイドカメラを確認して、ほっと一息ついた。

相変わらずの傷だらけ。
あたしの大切な魔法の箱だ。


とーやが少しむくれている気がして、あたしは首を傾げた。


「……どうかしたの、とーや?」

「あざみ。俺が心配したのは、カメラじゃなくて、あざみなんだよ?踏んだらあぶないなって思ったから」


とーやの眼が真剣で、あたしは笑って流すことに失敗してしまった。
< 16 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop