ファインダーの向こう側
あたしを穏やかに照らしてくれていた太陽が陰ったと思ったら、真上にとーやの顔があって。


とーやは飼い主を見つけた子犬のような笑顔でよく笑う。


「あざみ、やっぱりここにいた!俺もしかしたらまだ学校にいるんじゃないかと思って走りまわっちゃったよ」


のんびりとした口調でそう言うとーやは、高2とは思えないぐらい無邪気な顔をしている。

あたしは、そんなとーやが嫌いじゃなかった。
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