ファインダーの向こう側
水鏡 きみちゃんとあざみ 【完】
俺には中学生の姪っ子がいる。
俺に良く似た狭い視野と、価値観を持って生まれたかわいそうな、それでいて愛おしい馬鹿な子ども。
「―――きみちゃん!」
「なんだ?俺んとこにばっかり来てたら、またお母さんに怒られるぞ」
頑固そうな目をしたその子どもは、よく俺の城に遊びに来る。
来る時はいつだって突然で。
自分が拒まれるなんて、想像もしてなさそうな、俺を信頼しきってるその目。