ファインダーの向こう側
俺の城は汚いらしい。その子どもに言わせると。

そして、押しかけ女房さながらに俺の1ルームマンションの片付けをして、満足そうな顔をするのだ。


ありがたいと思わないわけでもないし、それを止めるつもりはないが、あまり変な物を置いておけないなとは思う。


「もう、きみちゃん、また部屋汚してる!唯でさえ狭いんだから、足の踏み場もなくなっちゃうよ」


そういいながら、俺の顔を見もしないで、黙々と持参したゴミ袋にゴミと子どもが判断したものを詰め込んでいる。


「今日は、どうかしたのか?」


その子どもの方を見る事もなく、俺は言う。タバコをすいかけて、止めた。
視線で追ってはいないが、俺の言葉にその子どもの動きが一瞬止まったのを、空気で知ってしまった。

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